2008年8月12日火曜日

温暖化を口実の原発推進は環境問題として本末転倒

温暖化を口実に、世界的に原子力発電の再考・推進の動きが盛んになっている。先の洞爺湖サミットでも原発推進国フランス等が原発業界と共に、世界各国に対して積極的な普及活動を見せ、原発全廃路線のドイツもその波に押され気味だ。

原発は万が一の事故・テロ・地震等による地域壊滅のリスクや核拡散も心配だか、それ以上に既に現実問題として放射性廃棄物の処分技術や最終処分場がまだ完成されていないことが深刻だ。電力の8割を原発に依存するフランスですら、処分場探しが難航している無責任な状態だ。現在パリから約250キロのビュール村にある放射性廃棄物地下研究所が、新たな最終処分所となる様子である。これは六ヶ所村と同様一時保管所や研究所が結局最終処分場となる図式だ。

原発は温室効果ガスは出さなくても確実に放射性廃棄物を出す。何万年も残る高レベル放射性廃棄物は、人類が作り出した最も危険なゴミであり、また人類最大の環境問題の一つとも言える。これを無思慮・無計画に次世代に貯め残すのは、あまりにも無責任な話だ。

今後の世界の原発推進の流れは米大統領選の行方でも変わりそうで、共和党マケイン氏は「2030年までに米国内に原発を45基新設する」と提案し、原発推進姿勢を明確にした。

一方民主党のオバマ氏は「原発なしに気候変動対策の目標達成はできそうもない」と原発の必要性は認めつつ、(1)国民の知る権利の確保(2)核燃料と廃棄物の防護(3)廃棄物の貯蔵・処分(4)核拡散等が解決されない限り新設には慎重な立場をとっている。オバマ氏の政策は現実的で妥当性があると考える。
(写真)オバマ氏 (electricityandlust.files.wordpress.com から)