2014年5月29日木曜日

環境分野で敢えて一番お勧めの本を選ぶなら

随分昔、環境ビジネスという雑誌で、「私の環境分野の一番の本」みたいなコーナーがあり、「奪われし未来」を紹介させてもらったことがある
先日の朝日新聞の「学生への本」の欄で、開成中学高校の柳沢校長が、この本を紹介しているのを発見、驚きだった
この本結構昔の本で、しかもマイナー、今こそ大事なのに、世の中ではほぼお蔵入りだったからだ
またお受験だけ好きそうな学校の校長が紹介していたのも驚き、見直した

この本で強烈に記憶にあるのが、実験のために乳がん細胞をある試験管に入れたら、何もしてないなに異常増殖 その増殖は爆発的だった
原因をとことん調べたら、なんとその試験管ふたの合成ゴムから染み出した化学物質だった

あらゆる商品の中に、まだまだかなりの有害な化学物質が、多かれ少なかれ、平気で使われている
成分表示を見るのも大事だが、もう一つの基準として、体が快か不快か本能的な感覚を基準にするのも、結構当たる判断だと思う



「奪われし未来」   
ホルモン作用を持つ化学物質がどれほどの環境汚染を起こすか。実証的に示した環境学史に残る書だ。科学者とジャーナリストが協働して、専門知識を汚染の被害者かつ加害者である一般の人にも分かりやすく伝えている。
評者:柳沢幸雄 やなぎさわ・ゆきお
開成中学・高校校長
シックハウス症候群研究の第一人者。東大名誉教授。





http://digital.asahi.com/articles/DA3S11131456.html