2007年11月3日土曜日

闘う人々 二 (げんさん 千葉県元名海岸の漁師)

 千葉県保田(館山手前)の元名海岸の漁師、げんさんには、昔朝日キャンプのセンターがあった時代からお世話になっています。

この地に、自然体験、カヤック・ダイビング、釣り・伝統漁等出来る拠点つくりを、この数年計画していました。先日小さい民宿が売り出て仮予約入れましたが、気になる匂いがあったので、げんさんにしたところ、悲しい事実が判明しました。

それは「野焼き」による汚染です。物件の周りいつも焦げた異臭がしていました。通常わら等燃やすだけなら問題はないけど、この周辺ではプラスチックから生ゴミまで、庭で全部燃やし、さらに昔の習慣で、土地改良や虫除けのため、焼却灰を庭に撒きしいています。

げんさん、野焼きの異臭に健康被害を直感し、分別指導をしてきたそうです。
「昔は磯の香り、季節の花の香りを楽しめたけど、今は焦げた匂いが多い」
「中卒の俺も分別して燃やすのに、裏の学校先生はプラスチックも燃やす」
「故郷も住むのもずっとここ、この環境守るために闘う」と話していました。
そして日々海岸に打ち上げられる膨大なゴミを、全て自分で集め、分別し、生木は乾かしてまで燃やし、不燃物は業者に出しているそうです。

昔朝日キャンプで使っていた和船を修復してくれたので漕いできましたが、沖で潜ってみると想像以上の豊かな生物多様性でした。今回物件購入はキャンセルしましたが、今後この海や環境を守るためビーチクリーニングや、野焼きの環境教育は、げんさんと共に活動したいと考えています。

写真上:先日夕暮れ小魚追ったイナダの群れが湾に入り竿持って採りに行くげんさん。写真下:修復された和船